民法第434条~第440条

民法重要条文と判例 -宅建過去問徹底攻略

連帯債務の絶対効事由と相対効


(連帯債務者の一人に対する履行の請求)
第四百三十四条 連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。

(連帯債務者の一人との間の更改)
第四百三十五条 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。

(連帯債務者の一人による相殺等)
第四百三十六条 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。

2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる。

(連帯債務者の一人に対する免除)
第四百三十七条 連帯債務者の一人に対してした債務の免除は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者の利益のためにも、その効力を生ずる。

(連帯債務者の一人との間の混同)
第四百三十八条 連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。

(連帯債務者の一人についての時効の完成)
第四百三十九条 連帯債務者の一人のために時効が完成したときは、その連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者も、その義務を免れる。

(相対的効力の原則)
第四百四十条 第四百三十四条から前条までに規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。

 解説 

432条~439条までと、条文の規定はないが、債権者に満足を与える弁済(代物弁済や供託も)が、いわゆる絶対効事由である。
【参照】連帯債務の絶対効事由(暗記法)

これら以外を全て相対効とすることで、債権の強化を図っている。

連帯債務者の一人に請求(裁判上、裁判外を問わない)をすれば、全員にしたことになり、その結果、全員が履行遅滞になったり、時効が中断したりすることになる。

【参考】更改とは、契約によって既存の債権を消滅させると同時に、これに代わる新しい債権を成立させること。これは宅建ではまず聞かれないので、名前だけ憶えておけばよい。

相対効事由の例としては、債務承認、債務承認による時効中断、連帯債務者のひとりに与えた期限の猶予、くらいを憶えておけばよい。


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