民法第371条

民法重要条文と判例 -宅建過去問徹底攻略

 


第三百七十一条 抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

 解説 

元物(げんぶつ)から生み出されるものを果実といい、天然果実と法定果実に分けられる。

天然果実:果樹園からの果実、農地からの作物、乳牛からの牛乳など。

法定果実:土地からの地代、家屋からの家賃など。

抵当権は、目的物の使用収益を設定者に委ねるものであるから、それから生じる果実も設定者に帰属する。しかし、債務不履行があった後は抵当権の効力が及ぶ旨の規定。

法定果実にも適用されるから、賃料に対する物上代位とは別の手段として、賃料に抵当権が及ぶことになる。(担保不動産収益執行の制度)

【参考】H15改正点。それ以前には、賃料に抵当権の効力を及ぼすには物上代位によるほかなかった(判例が抵当権の効力は法定果実には及ばないとしていたため)のが、民事執行法において担保不動産収益執行の制度ができるにあわせて、改正を行った。不良債権をなんとかするため。


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