解除権の行使
第五百四十条 契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。
2 前項の意思表示は、撤回することができない。
解説
「契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するとき」つまり、約定解除権があるときや法定解除権があるときのことである。
約定解除権の例としては、解約手付による解除や、特約でローン不成立時に解除できる旨定めた場合など。
法定解除権の例としては、債務不履行による解除とか売主の担保責任による解除など。
解除は一方的意思表示で行う。特約でローン不成立時に解除できる旨定めた場合に、ローン不成立によって自動的に解除となるものではなく、解除の意思表示が必要である。
「解除したいんだけどどうかな?」「いいよ」で解除となる合意解除とはまったくの別物であるので混乱しないように。
解除の意思表示は撤回できない。(ただし、相手方の承諾があれば撤回できる)また、条件をつけられない(ただし判例で、催告期間内の不履行を停止条件とする解除の意思表示は有効)、期限をつけられない。
なお、撤回とは、まだ法律効果を発生させていない法律行為や意思表示の効力を将来に向かって発生しないように阻止することをいう。以前は条文は「取消」であったがH16改正で修正された。