民法第632条、第633条

民法重要条文と判例 -宅建過去問徹底攻略

請負

(請負)
第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

(報酬の支払時期)
第六百三十三条 報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。


 解説 

請負は双務有償諾成契約である。宅建では、大工さんや工務店の建物建築請負をイメージすればよい。

建物を建築をすると、多数の材料(これは動産)の集合体が、ひとつの建物という不動産になる、すなわち一個の所有権が発生することになる。ここで、いつ動産のかたまりが不動産に化けるのか、また、発生した所有権はまず誰に帰属するのかが問題となる。

【判例】一般家屋では屋根と荒壁があれば建物となる。つまり天井や床はなくてもよい。風雨がしのげる状態になったら建物と思えばよい。

【判例】所有権の帰属は、まず特約があればそれに従う。特約がない場合には、
1.注文者が材料の全部又は主要部分を提供した場合、注文者に帰属する。
2.請負人が材料の全部又は主要部分を提供した場合、請負人に帰属し、引渡しによって注文者に移転する。
要するに化ける前の材料の所有者が建物の所有者になると思っておけばよい。

注文者の報酬支払義務と、請負人の(完成した)目的物引渡し義務が、同時履行の関係になる。したがって仕事の完成と報酬支払では、前者が先履行、後者が後履行の関係になるので注意。

【参考】
第624条1項 労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない


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