AがBに対し土地の売却の意思表示をしたが、その意思表示は錯誤によるものであった。この場合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 錯誤が、売却の意思表示の内容の重要な部分に関するものであり、法律行為の要素の錯誤と認められる場合であっても、この売却の意思表示が無効となることはない。
2 錯誤が、売却の意思表示をなすについての動機に関するものであり、それを当該意思表示の内容としてAがBに対して表示した場合であっても、この売却の意思表示が無効となることはない。
3 錯誤を理由としてこの売却の意思表示が無効となる場合、意思表示者であるAに重い過失があるときは、Aは自らその無効を主張することができない。
4 錯誤を理由としてこの売却の意思表示が無効となる場合、意思表示者であるAがその錯誤を認めていないときは、Bはこの売却の意思表示の無効を主張できる。
正解 3
1 × 錯誤無効となる。
2 × 動機の錯誤も、その動機が明示的ないし黙示的に表示された場合は、錯誤無効を主張できる(判例)。
3 ○ そのとおり。表意者に重過失があるときは、錯誤無効を主張できない。
4 × 錯誤無効は、原則、表意者だけが主張できる、相手方や第三者は主張できない(判例)。表意者保護の制度だから。
【参照】95条