AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年、賃料月額20万円と定めて賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 AもBも相手方に対し、本件契約の期間満了前に何らの通知もしなかった場合、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされるが、その期間は定めがないものとなる。
2 BがAに対し、本件契約の解約を申し入れる場合、甲建物の明渡しの条件として、一定額以上の財産上の給付を申し出たときは、Bの解約の申入れに正当事由があるとみなされる。
3 甲建物の適法な転借人であるCが、Bの同意を得て甲建物に造作を付加した場合、期間満了により本件契約が終了するときは、CはBに対してその造作を時価で買い取るよう請求することができる。
4 本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合でも、BはAに対し、同条所定の通知期間内に、期間満了により本件契約が終了する旨の通知をしなければ、期間3年での終了をAに対抗することができない。
正解 2
1 ○ そのとおり。
2 × 正当事由は、必要とする事情、従前の経緯、利用状況・現況、財産上の給付の申出、の4つを考慮して判断される。「一定額以上の財産上の給付を申し出た」としても正当事由ありとみなされるわけではない。
3 〇 そのとおり。転借人の立場は賃借人と同じと思っておけばよい。
4 〇 そのとおり。なお、「同条所定の通知期間内」というのは、期間満了の1年前から6月前までの間(期間1年以上の場合)。