損害賠償の範囲
第四百十六条 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
解説
損害を通常損害と特別損害に分け、通常損害は無条件に、特別損害は特別事情の予見可能性によって、損害賠償義務を負うこととした。
特別損害がわかりにくいので例をあげる。Aは売主BとB所有の土地の売買契約を結んでいた。さらにAはこの土地をCに転売する契約(転売利益は大きい)を結んでいたが、履行期になってもBが履行せず、Cに契約を解除され違約金も請求されてしまった。このときの得られなかった転売利益や、Cに払った違約金が特別損害にあたる。
【判例】当事者とは、債務者のみである。(上のケースでは売主Bのみ。双方ではない。)
【判例】予見可能性の判断は、債務不履行の時点。(契約時点ではない)