混同
第五百二十条 債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
解説
混同とは、同一債権について債権者の地位と債務者の地位が同一人に帰属することをいい、このとき債権は原則として消滅する。
【判例】土地賃借人が、土地所有権(いわゆる底地)を取得すれば土地賃借権は消滅する。
ただし書きには、債権を存続させることに法律上意味がある場合には、消滅しない旨、規定している。
【判例】家屋の転借人が、賃貸人(所有者)の地位を承継しても賃貸借関係・転貸借関係は当事者間に合意のない限り消滅しない。
物権の混同は179条であるが、こちらはそれ自体としては出題されていないと思うので、似たようなものと思っておけばよい。
【参考】第百七十九条 同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3 前二項の規定は、占有権については、適用しない。