民法第545条、第546条

民法重要条文と判例 -宅建過去問徹底攻略

解除の効果


(解除の効果)
第五百四十五条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。

2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。

3 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。


(契約の解除と同時履行)
第五百四十六条 第五百三十三条の規定は、前条の場合について準用する。

 解説 

契約が解除されるとさかのぼってなかったことになるから、原状回復すなわち目的物や受領した金銭の返還をしなければならない。

1項ただし書きの第三者について
【判例】第三者とは、解除された契約から生じた法律効果を基礎として解除までに新たな権利を取得した者をいう。善意悪意を問わないが、対抗要件が必要である。

要するに、解除前の第三者である。解除後の第三者とは対抗問題となる。
善意悪意を問わないのは、解除権があるからといって解除するかしないかは解除権者の腹積もりひとつであるから、そのことについて知っているかいないかは関係がないからである。
対抗要件が必要であるとしているのは、なんら落ち度のない解除権者の犠牲のもと第三者を保護する以上、この第三者は単に契約(意思表示の合致)だけでは足りず、法律的に確固たる地位を得ている必要があるから。

【参照】〇〇後の第三者ときたら登記の早い者勝ち

2項、「受領時から利息」を、解除のときから、とするヒッカケに注意。

【判例】これとの均衡から、給付を受けた物からの果実・使用利益も返還すべきである(例えば、家の売買契約が解除された場合、家賃相当額を付して返還となる)。

3項、解除をしても別途、損害があれば損害賠償請求できる。


546条は、原状回復は同時履行の関係になるといっている。売主は「物を返してくれなきゃ金は返さん」一方、買主は「金を返してくれなきゃ物は返さん」と言えるわけ。


H10問8

H21問8

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