Aには、相続人となる子BとCがいる。Aは、Cに老後の面倒をみてもらっているので、「甲土地を含む全資産をCに相続させる」 旨の有効な遺言をした。この場合の遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Bの遺留分を侵害するAの遺言は、その限度で当然に無効である。
2 Bが、Aの死亡の前に、A及びCに対して直接、書面で遺留分を放棄する意思表示をしたときは、その意思表示は有効である。
3 Aが死亡し、その遺言に基づき甲土地につきAからCに対する所有権移転登記がなされた後でも、Bは遺留分に基づき減殺を請求することができる。
4 Bは、遺留分に基づき減殺を請求できる限度において、減殺の請求に代えて、その目的の価額に相当する金銭による弁償を請求することができる。
正解 3
1 × 「当然に無効」ではない。遺留分を侵害する遺言は、遺留分減殺請求の対象になるだけである。
2 × 相続開始前の遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可が要る。
3 ○ そのとおり。当然に遺贈が失効する(判例)から、移転登記が無効な登記となる。
4 × Cのほうから「その目的の価額に相当する金銭による弁償」をすることはできるが、Bのほうから、このような請求はできない。(1041)
肢1と2がわかっていればよいと思う。