不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 不法行為による損害賠償請求権の期間の制限を定める民法第724条における、被害者が損害を知った時とは、被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。
2 不法行為による損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金債権は、当該債権が発生した時から10年間行使しないことにより、時効によって消滅する。
3 不法占拠により日々発生する損害については、加害行為が終わった時から一括して消滅時効が進行し、日々発生する損害を知った時から別個に消滅時効が進行することはない。
4 不法行為の加害者が海外に在住している間は、民法第724条後段の20年の時効期間は進行しない。
正解 1
1 ○ そのとおり、判例。
2 × 遅延損害金についても、724条が適用されるから、知ったときから3年である。
3 × このような場合(継続的不法行為という)、日々発生する損害を知った時から別個に消滅時効が進行する。判例。
4 × 724条後段は、除斥期間※を定めたものである。判例。よって進行することになる。
※ 除斥期間とは、一定期間の経過によって権利を消滅させる制度。条文上にはないが、判例・学説上認められているもの。時効期間とよく似ているが、中断がない、援用がなくても裁判所は権利を消滅したものとして裁判しなければならないなどの違いがある。
ひどい問題である。できなくてもいいし、できるようになる必要もない。