心裡留保
第九十三条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
解説
読んで字のごとく、心の裡(うち)に留め保つ、である。なにを留め保っているかというと、本当の気持ち=真意である。心裡留保とは、表意者の真意と表示された意思に食い違いがあり、その食い違いがあることを表意者が知っていてなす意思表示である。(食い違いを知らずになす錯誤との相違点)
例えば、冗談で「私の土地(時価1億円)を1,000万円で売ってあげよう」と言った場合とか。
要するに、言った以上は約束を守れ=有効。でも相手も冗談だとわかっていた場合にまで守れというのもなんなので、相手方が悪意または善意有過失なら無効、ということ。
相手方の善意・悪意の判定時期は行為時。
H10問7