民法第163条

民法重要条文と判例 -宅建過去問徹底攻略

所有権以外の財産権の取得時効


第百六十三条 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。

 解説 

所有権以外の財産権で時効取得が認められるものとして、
1. 地上権、地役権、質権など
2. 不動産賃借権(判例)

不動産賃借権を時効取得するという状況がイメージしにくいと思うので、例で説明する。
Aは甲土地とそれに隣接する乙土地を所有していた。AはBと甲土地の賃貸借契約を結んだ。Bは、甲乙両土地あわせて甲土地と思い違いをして、両土地にまたがる家を建てて住んでいた。その後相当の期間が経過してからAが現地を見たところ、貸していない乙土地の上にも建物が建っているのを見つけ、怒ったAは乙土地上の建物を収去せよ(乙土地の所有権に基づく妨害排除請求)とBに請求した。困ったBは、乙土地の賃借権について時効による取得を主張した。そこで裁判所はBの主張を認めた。


H22問3

H27問4

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