時効により消滅した債権を自働債権とする相殺
第五百八条 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。
解説
たとえば、Aは12年前にBに100万円を貸していた。そして5年前にBから自動車を買い、その代金100万円を未だ払っていない。このとき、AがBに対して100万円の貸金の返済を求めても、Bが消滅時効の完成を主張すれば、払ってもらえないことになる。しかし、Aはこの(消滅した)貸金債権を自働債権として、Bの代金債権と相殺することができるわけである。