民法第651条、第652条

民法重要条文と判例 -宅建過去問徹底攻略

委任の解除

(委任の解除)
第六百五十一条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。

2 当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。


(委任の解除の効力)
第六百五十二条 第六百二十条の規定は、委任について準用する。


 解説 

委任は、委任者・受任者のいずれからでも、いつでも無理由で解除できる。

委任の解除をしたからといって当然に損害賠償義務を負うわけではない。しかし、
相手方に不利な時期に委任の解除をしたときには、相手方の損害を賠償しなければならない。ところがこの場合にも、
やむを得ない事由があったときは損害賠償しなくてもよい。

「不利な時期」とは?とか、「やむを得ない事由」ってなに?とか気にする必要はない。※

652条は、委任の解除は将来に向かってのみ効力を生ずる、つまり遡及効はない、といっている。

【参照】第620条


【余談】※どうしても気になる人へ
委任は民法上、原則無償で特約により有償となる。しかし現実にはただで人のために働く人はあまりいないので、ほとんどが有償契約となっている。そして有償契約の場合には当然、解除の条件や費用の支払、損害賠償についても約定しているのが一般である。したがってこのような場合、2項の出番はほとんどない。
あえて例をあげるとすれば、
あなたは友人に自己所有不動産の売却を依頼した。友人はただでこれを引き受けてくれた。
ところが契約交渉も佳境に入り、まもなく契約というところで、突然友人は委任を解除、受任者を辞任してしまった。
このときあなたは友人に損害賠償請求できる。
しかし、この友人が急病で入院することになったため委任を解除したのであれば、損害賠償請求はできない。


H18問9

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