賃貸借の解除の効力
第六百二十条 賃貸借の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。この場合において、当事者の一方に過失があったときは、その者に対する損害賠償の請求を妨げない。
解説
売買契約で解除権が行使されると遡ってなかったことになる(遡及効)が、継続的な契約である賃貸借で遡及効を認めるとたいへんなことになってしまうので本条で遡及効を否定している。
【判例】債務不履行(義務違反)の場合には、541条を修正適用する(まずは、催告をしてからになる)。
しかし、
【判例】義務違反が著しく、賃貸借を継続するのが困難なほど信頼関係が破壊されている場合には、催告なしに解除できる。
一方で、
【判例】義務違反が、賃貸借の基礎をなす信頼関係の破壊にあたらない場合には、催告のうえ解除の意思表示をしたとしても、この解除には効力がない。