(不法行為の)損害賠償の方法及び過失相殺
(損害賠償の方法及び過失相殺)
第七百二十二条 第四百十七条の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
解説
【判例】「被害者に過失があった」とは、本人の過失のみでなく、広く被害者側の過失を含む。被害者側の過失とは、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすと見られるような関係にある者の過失である。
たとえば、親が小さな子供をちゃんと見ていなかったために、車に轢かれたとか。
判例上、被害者側の過失が認められた例
- 被害者の被用者の過失
- 子の損害賠償請求における親の過失
- 妻の損害賠償請求における夫の過失
具体的事情の程度に応じて賠償金の減額が行われる。
過失相殺するかどうかは裁判官の裁量であるが、全額免除はできない、また賠償責任それ自体について過失を考慮することはできない。ここが債務不履行の場合の過失相殺(418)との異同点なので注意。
【参考】
(損害賠償の方法)
第四百十七条 損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
H12問8