Aは、自己所有の建物について、災害により居住建物を失った友人Bと、適当な家屋が見つかるまでの一時的住居とするとの約定のもとに、使用貸借契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Bが死亡した場合、使用貸借契約は当然に終了する。
2 Aがこの建物をCに売却し、その旨の所有権移転登記を行った場合でも、Aによる売却の前にBがこの建物の引渡しを受けていたときは、Bは使用貸借契約をCに対抗できる。
3 Bは、Aの承諾がなければ、この建物の一部を、第三者に転貸して使用収益させることはできない。
4 適当な家屋が現実に見つかる以前であっても、適当な家屋を見つけるのに必要と思われる客観的な時間を経過した場合は、AはBに対し、この建物の返還を請求することができる。
正解 2
1 ○ 使用貸借は借主の死亡により消滅する。
2 × 「建物の引渡しを受けていた」とあるが、使用貸借には、借地借家法の適用ある建物賃貸借のような対抗力はない。使用貸借は対抗力をもち得ない、と憶えておいてもよい。
3 ○ そのとおり、賃貸借であっても承諾が要るのだから使用貸借ではなおさら、と考えればよい。
4 ○ そのとおり(判例)。やや細かいが、ただだからそんなものかな、でよい。
【参照】使用貸借