次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 契約締結交渉中の一方の当事者が契約交渉を打ち切ったとしても、契約締結に至っていない契約準備段階である以上、損害賠償責任が発生することはない。
2 民法第1条第2項が規定する信義誠実の原則は、契約解釈の際の基準であり、信義誠実の原則に反しても、権利の行使や義務の履行そのものは制約を受けない。
3 時効は、一定時間の経過という客観的事実によって発生するので、消滅時効の援用が権利の濫用となることはない。
4 所有権に基づく妨害排除請求が権利の濫用となる場合には、妨害排除請求が認められることはない。
正解 4
1 × 契約準備段階の過失の理論(判例理論)により、損害賠償責任が発生することがある。
2 × 権利の行使や義務の履行そのものも制約を受ける。
3 × 消滅時効の援用が権利の濫用となることもある。
4 ○ そのとおり。