Aは不動産の売却を妻の父であるBに委任し、売却に関する代理権をBに付与した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Bは、やむを得ない事由があるときは、Aの許諾を得なくとも、復代理人を選任することができる。
2 Bが、Bの友人Cを復代理人として選任することにつき、Aの許諾を得たときは、Bはその選任に関し過失があったとしても、Aに対し責任を負わない。
3 Bが、Aの許諾及び指名に基づき、Dを復代理人として選任したときは、Bは、Dの不誠実さを見抜けなかったことに過失があった場合、Aに対し責任を負う。
4 Bが復代理人Eを適法に選任したときは、EはAに対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負うため、Bの代理権は消滅する。
正解 1
1 ○ 委任による代理人が復代理人を専任できるのは、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるとき。
【関連】法定代理人は、自己の責任で自由に復代理人を選任できる。(ただし復代理人を自由に選任できるが、彼の行為の全責任を負う)
2 × 本人の許諾を得て復代理人を選任したときは、その選任及び監督について責任を負う。
3 × 本人の指名にしたがって復代理人を選任したときは、復代理人が不適任・不誠実であることを知りながら、本人に通知することや解任することを怠った場合だけ責任を負う。本肢では「不誠実さを見抜けなかったことに過失があった場合」とあるが、過失があっても不誠実を知らなかったのであるから責任は負わない。
4 × 代理人が復代理人を選任しても、代理人の代理権は消滅しない。復代理は本人から見ると、自分の代理人が増えるということ。
【参照】104条~107条