注意義務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 ある物を借り受けた者は、無償で借り受けた場合も、賃料を支払う約束で借り受けた場合も、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。
2 委託の受任者は、報酬を受けて受任する場合も、無報酬で受任する場合も、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う。
3 商人ではない受寄者は、報酬を受けて寄託を受ける場合も、無報酬で寄託を受ける場合も、自己の財産と同一の注意をもって寄託物を保管する義務を負う。
4 相続人は、相続放棄前はもちろん、相続放棄をした場合も、放棄によって相続人となった者が管理を始めるまでは、固有財産におけると同一の注意をもって相続財産を管理しなければならない。
正解 3
1 ○ ともに善管注意義務。
2 ○ そのとおり、委任の場合は、報酬の有無にかかわらず善管注意義務。
3 × 寄託の場合は、報酬有なら善管注意義務、無しなら自己の財産と同一の注意義務。
4 ○ そのとおり、なお「固有財産におけると同一の注意」というのは、自己の財産と同一の注意と同じ意味である。
【参照】注意義務について