平成30年度 問10

宅建過去問徹底攻略


相続に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 無権代理人が本人に無断で本人の不動産を売却した後に、単独で本人を相続した場合、本人が自ら当該不動産を売却したのと同様な法律上の効果が生じる。

2 相続財産に属する不動産について、遺産分割前に単独の所有権移転登記をした共同相続人から移転登記を受けた第三取得者に対し、他の共同相続人は、自己の持分を登記なくして対抗することができる。

3 連帯債務者の一人が死亡し、その相続人が数人ある場合、相続人らは被相続人の債務の分割されたものを承継し、各自その承継した範囲において、本来の債務者とともに連帯債務者となる。

4 共同相続に基づく共有物の持分価格が過半数を超える相続人は、協議なくして単独で共有物を占有する他の相続人に対して、当然にその共有物の明渡しを請求することができる。


 正解 4

1 ○ そのとおり。この場合、無権代理人は信義則上、本人の追認拒絶権を行使できないから。

2 ○ そのとおり。勝手に単独の所有権移転登記をした共同相続人は他の共同相続人の持分については無権利者であり、したがって、これから移転登記を受けた第三取得者も、他の共同相続人の持分については無権利者ということになるから、他の共同相続人は、自己の持分を登記なくして対抗することができる。177条

3 ○ 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する(899条)。本肢は連帯債務の場合の判例(分割承継説)である。

4 × 協議に基づかず、現に共有物を独占する共有者に対して、他の共有者は当然には共有物の引渡しを請求できない。(判例)相手にも持分権があるので、自分に渡せとは当然には言えないわけである。

相続の問題というよりは、相続の場面での総合問題。肢3は気にしないでよい。

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