主たる債務者について生じた事由の効力
第四百五十七条 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
2 保証人は、主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗することができる。
解説
附従性の表れ。主たる債務(親ガメ)に生じた事由は原則として、保証債務(子ガメ)に影響する。なお、子ガメに生じた事由は原則として(例外は、保証人による弁済や相殺。債権者に満足を与えるから)親ガメに影響しない。
例外としては、主たる債務が保証契約後に加重された場合がある。たとえば、100万円の借金についてそれならと保証人になったが、その後、借金が500万円になったからといって、保証債務が500万円になったりしたら、保証人はたまったものではない。親ガメが勝手に大きくなっても、子ガメはつられて大きくなったりしない。
おなじく例外として、主たる債務の消滅時効完成後に主たる債務者が債務承認をしても、保証人は保証債務の時効消滅を主張できる。親ガメが(債務承認により)生き返っても、子ガメは生き返らない。
【判例】主たる債務者が時効援用するかどうかにかかわらず、保証人はこれを援用して保証債務の消滅を主張できる。