売主の瑕疵担保責任
第五百七十条 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。
解説
売買の目的物に瑕疵があった場合には、善意無過失の買主は、契約の解除や損害賠償請求ができる。
これらの責任追及は、買主が事実を知ったときから1年以内にしなければならない
契約の解除は目的が達成できないときに限る。一方、損害賠償請求は、契約の目的が達成できないとまではいえないときでもできるので注意。
【判例】必ずしも1年以内に訴訟提起しなければならないという意味ではない。1年以内に裁判外で責任追及してから、訴訟にいってもよい。
【判例】この損害賠償請求権には消滅時効(10年)の適用があり、その起算点は引渡し時である。
瑕疵とは、その物が通常もつべき品質・性能を備えていないこと。要するに不良品というイメージでよい。
【判例】物質的瑕疵だけでなく、法律的な瑕疵(たとえば土地を買ったら都市計画法の制限で建物建築不可だったとか)も含まれる。
【判例】建物とその敷地の賃借権が売買の目的物(いわゆる借地権付き建物の売買)である場合、敷地の欠陥は、売買の目的物の瑕疵ではない。敷地は売買の目的物ではないから。
「隠れた瑕疵」とは、取引上通常要求される注意をしても発見できないような瑕疵。要するに『買主の善意無過失』である。