13.重要事項 その1(もの)
重要事項として説明しなければならない項目は、内容的にはもの(物件)に関するデータと、ひとがすること(取引条件)に関するデータに大別される。
また、「宅地の売買」「建物の売買」「宅地の貸借」「建物の貸借」の4つのケースに分けられるので、ここでは《》書きで記載する。さらに区分所有建物の場合には特有の項目がある。
重要事項とは、買うあるいは借りるという意思決定をする際に決め手となるようなデータ(情報)であるから、憶えていない項目が出題された場合には、自分が買い手あるいは借り手の立場になって考えてみれば(契約前に知っておきたいかどうかということ)ある程度は判断できる。
1.ものに関するデータ
取引物件に関する事項 | ||
157 | 登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人、又は、登記簿の表題部の所有者の氏名(法人の場合は名称) 《全てのケースが対象》 ※その時点で抹消されていない登記事項は全て説明しなければならないと思っておけばよい。 |
H15問37 H17問37 H22問36 H23問34 H26問35 |
158 | 都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で、契約内容の別に応じて政令で定めるものに関する事項の概要 《ケースバイケース》 ※いちいち憶えていられないので、自分が買い手あるいは借り手の立場になって考えてみる必要がある。たとえば、建ぺい、容積などは、建物貸借ではいらない。 |
H15問36 H17問38 H22問35 H25問33 H26問34 H27問31 H28問36 |
159 | 私道負担に関する事項 《「建物の貸借」以外のケース》 ※私道負担がない場合には「私道負担なし」と説明する。 |
H22問35 H29問33 |
160 | 飲用水・電気・ガスの供給施設、排水施設の整備状況。これらの施設が整備されていない場合は、整備の見通しと整備についての特別の負担に関する事項 《全てのケースが対象》 |
H18問35 H24問30 |
161 | 未完成物件の場合は、完了時における形状・構造、その他国土交通省令・内閣府令で定める事項 《未完成物件なら全てのケース》 ※省令・府令で定める事項: 宅地の場合にあっては、宅地造成工事の完了時における当該宅地に接する道路の構造及び幅員 建物の場合にあっては、建築工事完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造 ※必要があれば図面を交付して説明する(交付しても説明の省略はダメ)。このとき図面に記載されている事項は重要事項説明書のほうには記載しなくてよい。 |
H16問38 H17問37 H28問36 |
161b | 既存建物の場合、 イ 建物状況調査(実施後1年を経過していないものに限る)を実施しているかどうか、及び実施している場合にはその結果の概要 《既存建物なら全てのケース》 ロ 設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるものの保存状況 《既存建物の売買・交換のケース》 ※建物状況調査が実施されている場合には、劣化事象等の有無を説明する。 ※保存状況というのは書類の有無のこと。また書類の内容は説明する必要はない ※実施や書類の有無が明確でない場合には、売主等への照会等する。それでも判明しない場合はその照会で調査義務を果たしたことになる。 (H30改正により追加) | |
その他の「もの」に関する事項(省令・府令で定める説明事項) | ||
162 | 造成宅地防災区域内にあるときは、その旨 《全てのケースが対象》 |
H19問35 H23問32 |
163 | 土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨 《全てのケースが対象》 |
H16問37 H18問33 H22問35 |
162 | 津波災害警戒区域内にあるときは、その旨 《全てのケースが対象》 |
H25問30 H26問34 |
163 | 建物について、石綿の使用の有無の調査結果が記録されているときは、その内容 《「建物の売買」と「建物の貸借」のケースが対象》 ※使用されていなければ、いないと説明する。 ※業者には当該調査をする義務はない。 |
H19問35 H21問33 H24問30 |
164 | 建物(昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除く。)が耐震診断を受けたものであるときは、その内容 《「建物の売買」と「建物の貸借」のケースが対象》 ※業者には耐震診断を実施する義務はない。 |
H19問35 H23問32 H24問30 H26問34 |
165 | 住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨 《「建物の売買」のケースだけが対象》 ※中古住宅の場合はいらない。 ※貸借の場合はいらない。 |
H16問37 H18問33 H22問35 H24問30 |
166 | 台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況 《「建物の貸借」のケースだけが対象》 ※居住用建物だけではなく事業用建物でも。 |
H16問38 H18問33 |